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介護・IT業界情報

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かながわ福祉サービス振興会/ロボシンポレポートA
介護ロボットの導入効果を語る

HAL導入:介護老人保健施設 老健リハビリよこはま リハビリ部長の舘 正成氏ム

 老健リハビリよこはまでは、「歩かなければ歩けなくなる」と考えて施設のサービスを提供している。大和ハウス工業(CBERDYNE社製)の「HAL」を体験させてもらい、HALの力を有効活用して自分の意志で歩くことを覚えてもらうことを期待して今回導入した。

 入所、通所各一名を対象に「歩き方を直したい」と考え、週に1回10分程度、2ヵ月ほどの歩行訓練をした。導入してよかったのは、脚を動かしたいときにHALがアシストしてくれて視覚位置を高くすることができたこと。もう一つは歩く意欲を高める効果もあった。杖よりも脚が前に出るようになり、歩行スピードが増した。

 苦労した点としては、マシンに慣れていないこともあり、準備から終了までに1時間を要したこと。またマンパワーの問題もあった。つまり訓練時に利用者にモニターを見てもらおうとすると、介助者のほかにパソコンを操作する要員も必要になった。さらに、週に1回の訓練だったので、利用者がHALの重みでバランスを崩してしまうこともあった。歩き方の癖があり、よい方向にアシストしてもらっているのだが、HALのアシストのタイミングがずれることも。ただしこれは慣れることによって改善されるのではないか。

 利用者の力に合わせたアシスト量の調整も難しかった。したがって、もっと軽量化されると利用者は自分の力に合った歩行訓練ができるようになるのではないかと感じた。アシストのタイムラグが検出できるとよいとのスタッフの意見もあった。電極を取り付ける手間も簡便化されるとよいと思う。


ロボットスーツ「HAL」

パロ導入:特別養護老人ホーム ゆとりあ 言語聴覚士の小菅直子氏

 介護ロボット普及事業の説明会で導入予算などが具体的にわかり、当施設でも導入可能と判断して踏み切った。利用者の笑顔が増えたり、心が穏やかになり、利用者のQOL(生活の質)向上に繋がるのではないかと期待した。

 QOL向上にはいろいろあると思うが、交流促進に関しては寄与する部分が大きいと思う。ただ利用者個々人の性格や認知症疾患がコミュニケーション活動の量と質に影響することが大きいのではないかと思われたため、それに対して職員がどのようにケアアップをしていけるのかを見た。

 週に2〜3回、1回につき20〜30分。集団は4〜5人の利用者を固定して行なった。無理強いしない、関心があると思われる利用者は排除しない(機会を奪わない)という点にだけ注意した。評価はNMスケールで行なった。

 試験導入の結果、利用者の会話の質と量が変わった。例えば導入前は利用者同士の会話が少なかったが、導入後は利用者が他の利用者にパロに触れることを勧めるなど、会話が増した。また利用者がパロに触れ合っている光景を見ながら、それに対する感想を述べあうといった会話も増えた。

 そうした状況を見ながら職員も、利用者のコミュニケーション能力があること、かなり重度の認知症患者でも関わり方によってコミュニケーション能力が改善されることを実感している。また、先端技術を採り入れている施設であるという外部からの評価にも繋がっている。

 問題点としては、職員によってコミュニケーションスキルにばらつきがあり、いかに高齢者との会話を行なうかがパロの活用にも影響する。パロの導入方法が確立されていないので試行錯誤が多かった、介護業務にパロを使うという新たな業務が追加されるので介護士への心理的負担感が加わった。ただしこれは介護士だけでなく、職員全員でやれば解決されるとも思う。


メンタルコミットロボット「パロ」

眠りSCAN導入:特別擁護老人ホーム 横浜敬寿園 副施設長の渡邉正文

 当施設はユニット型の施設なので、夜間、職員が個室を覗いて利用者の睡眠確認をしているが、本当に就寝しているのどうかという不安がある。そこで、利用者の睡眠管理が図られるのかという点と、職員の負担軽減を期待して導入した。

 対象としたのは6人で、全員がアルツハイマー型認知症。歩行が不安定なので夜間の離床を減らしたいといった狙いでケアプランを作成し、実施した。

 導入の結果、夜間の睡眠が増えて徘徊する患者の転倒リスクが軽減した。また、睡眠薬を使わなくなったので健康上でも効果があった。睡眠や覚醒をパソコンを使ってリアルタイムで管理したほか、起きた場合はすぐにアラームが鳴る装置もつけたのでそれも効果的だった。

 職員のモチベーションも向上した。眠りSCANは本体で10万円、その他にパソコンやソフトも必要になるが、センサーマットと比較すると、センサーマットは価格は5万円ほどだが、ベッド周りに装置をつけるのでセンサーをよけて、寝ているのか起きているのかわからないことが起きる。その点、眠りSCANはベッドの下に敷くのでそうしたこともなく、利用者も意識しないで済むといった効果も得られた。


睡眠管理システム「眠りSCAN」

ヒューマニー導入:川崎ナーシングヴィラ 春の風 施設長の鷲谷 真氏

 夜間の排尿による不快感の軽減と、それによる睡眠の確保を期待して導入した。2名を対象にしたが、そのうちの一人は排尿の勢いが強く、漏れが起きたので2週間で使用を中止した。

 もう一人には2ヵ月間使用した。それまでは排尿すると衣服やシーツが濡れて不快感を覚えるため、その都度職員を呼んでいたが、「ヒューマニー」を使用してからはそうしたことがなくなり、睡眠も増えた。

 コール頻度が減ったことによって、職員の負担軽減にも繋がった。ヒューマニーの存在は、今回の介護ロボット普及モデル事業で初めて知った。使ってみて有効な介護ロボットであることが分かったので、ヒューマニーのことをもっと広く知ってもらうことがまずは必要と思う。


吸引ロボ「Humany(ヒューマニー)」

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