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構造計画研究所、離床時の転倒や徘徊を予防する介護ベッド用見守りセンサー「EVER Relief」発売開始
誤報・失報が少ない離床センサーを開発、IoTで介護をサポート

[構造計画研究所 プレスリリースより]
構造計画研究所(本社:東京都中野区、代表取締役社長:服部正太)は、介護施設における課題解決を目的として、非接触で体動や心拍・呼吸などのバイタルデータを感知できるセンサー技術を用いて、ベッド上での起き上がり動作を高精度に検知できる介護ベッド用の離床リスク検知センサー「EVER Relief(エバー・リリーフ)」を開発し、本日より販売を開始いたしました。

◎介護ベッドに取りつけると、ベッドでの起き上がり動作を検知してナースコールを鳴らします。
◎複数のセンサーで離床直前の状態を正確に検知、誤報・失報の少ない見守りを実現します。
◎バイタルセンサーによるセンシングで就寝中の心拍、呼吸の異常時にも知らせます。
◎構造計画研究所による開発です。(特許申請中)

介護施設においては入居者単独での離床時に発生する転倒事故が後を絶たず、施設側ではその予防に対策を迫られています。そのため、適切なタイミングで介助を行うべく、各種センサーを用いて離床を検知しようと試みられていますが、現場では以下のような課題が存在します。

・離床時の転倒による怪我を予防したい
 入居者の怪我の原因は離床時の転倒によるものが最多

・床に足をつく前にいち早く検知したい
 転倒リスクの高い入居者にとっては、床に足をついた時点の呼び出しではすでに手遅れ

・誤報や失報をなくしたい
 すでに各種離床センサーが販売されているが誤報や失報が多く、それらが余計に介護スタッフの負担になっている

・就寝中のバイタルデータ異常を検知したい
 看取り検知ができるように、とのニーズがある

また、厚生労働省は、入居者の人間としての尊厳を守る一つの手段として、過度の監視や拘束が必要なくなる介護ロボット(見守り支援機器)の利用を推奨しています。


「EVER Relief」全体イメージ

「EVER Relief」はベッドでの起き上がり動作を非接触で検知できる介護ベッド取り付け型のセンサーです。「EVER Relief」がベッド上で人の起き上がり動作を検知すると、自動的にナースコールを鳴動させ、介護者に知らせます。
複数のセンサーで要介護者の動作を立体的にとらえることで、現在、普及している離床センサーに比べ、誤報・失報を大幅に減らすことができます。

2014年に「バイタルセンサーを用いた施設型見守りシステム」として、「EVER Relief」のアイデアが経済産業省の公募事業に採択されて以来、構造計画研究所は関係者と協力しながら実証実験を行い、ユーザー様(介護施設2件、以下、コメント掲載あり)のフィードバックを元に製品化を進めてまいりました。

構造計画研究所は、近年、新たにIoT関連ビジネスを立ち上げ、国内外の有用なIoT技術を積極的に取り入れ、提案してまいりました。当社が今まで培ってきたデバイス/センサー技術、クラウド技術およびデータ分析技術を組み合わせた社会への価値提供のひとつとして、この度、「EVER Relief」の販売を開始いたします。「EVER Relief」は介護施設を中心とした販売を予定しており、5年間で7,500台の販売を目指します。

引き続き、有用なIoTデバイス・プラットフォームも合わせてご提案することで、建物の安心・安全はもとより、その建物内で暮らす皆さまの“安全性”と“快適性”の向上を実現いたします。

■特長
◎起き上がり動作を正確に検知して「見守り」を支援


メインセンサーとサテライトセンサー

「EVER Relief」は複数のセンサーを用いて起き上がり動作を立体的に捉えます。現在、最も普及しているスイッチタイプのセンサーに比べ、単なる寝返りでもナースコールが鳴動してしまう「誤報」、必要な時に検知ができない「失報」の割合を大幅に減らします。

離床する前の、起き上がり動作から端座位への移行を検知できることから、介護者は要介護者の元に早めに駆けつけることができます。これにより、離床に介助が必要な要介護者の転倒による怪我予防、徘徊の可能性がある要介護者の徘徊予防に役立ちます。

◎バイタルセンサーで就寝中の見守りが可能


バイタルデータの可視化イメージ

体動・心拍・呼吸の3つを感知します。バイタルデータ(心拍・呼吸)の挙動により、起き上がりだけでなく就寝中の異常な体調変化の際にもナースコールを鳴らします。 また、バイタルデータをクラウド上に蓄積することで可視化し、その傾向や変化を介護方針にフィードバックできます。(※オプション)

◎設置・設定が簡単


スマートフォンアプリ画面

センサー設置に特別な工事は不要です。
また、バイタルセンサーは使用前に各種パラメータの設定が必要ですが、複数のプリセット条件(対象者の動きのはやさ、サテライトセンサーの設置位置、マットレスの厚さ等)が用意されており、使用条件に合わせてスマートフォンアプリで簡単に調節できます。

◎利用者に不快感を与えない非接触センサーかつコンパクト設計

厚さ18 mmのメインセンサーは、マットレスの下に設置しても寝心地に影響しないコンパクトな設計です。また、利用にあたり、要介護者への接触は不要のため、センサーによる不快感を与えません。

■実証実験(※1)にご協力いただいたユーザー様の声

当施設は80床で居室は2階と3階に分かれており、夜勤は各階2名(介護3、看護1)で対応している。センサーは夜間に最もリスクが高い方に使用。夜勤者の見守りも限界がある中、高リスク者の対応については常に問題だった。利用者と職員との間を適度な距離を保ちながらリスク対応ができる当センサーは大変頼りになった。
【福岡県 S介護老人保健施設 I様】

ベッド下にマット等を敷かずに反応するため、マットのつまずきによる転倒リスクがない。同様にスペースもほとんどとらないため、居室内が狭くても設置が可能。マットセンサーよりも前に転倒や転落リスクに気付くことができる。ナースコールとの連動性も良い。
【埼玉県 E介護付き有料老人ホーム 施設長 H様】

※1 経済産業省「ロボット介護機器導入実証事業:ロボット介護推進プロジェクト」
(公益財団法人テクノエイド)主催の補助事業内で実施

▼介護ベッド用見守りセンサー「EVER Relief」紹介ページ
http://www.kke.co.jp/EVER_Relief/