介護用ITソリューション情報

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夜間排せつケアに効果抜群の尿吸引ロボ「ヒューマニー」――ユニ・チャーム ヒューマンケア

介護保険改定で2012年4月1日から月額800円程度で利用可能に

夜間に何度もトイレに立つことは、高齢者にとってリスクが大きい。安眠が妨げられてQOL(生活の質)が低下するだけでなく、転倒して寝たきりになったり、老老介護で介助する側に介護が必要になることもある。そんなリスクを大幅に軽減してくれるのがユニ・チャーム ヒューマンケアの尿吸引ロボ「Humany(ヒューマニー)」だ。利用者からは「安眠できて体が楽になり、活動的になった」「毎晩4〜5回のトイレ介助やパッド交換が不要になり介助疲労が大幅に軽減された」といった声が寄せられている。


□ユニ・チャーム ヒューマンケアの尿吸引ロボ「Humany(ヒューマニー)」

ユニ・チャームと日立の知見・技術を結集

 「ヒューマニー」は2009年5月から首都圏で発売を開始、在宅を中心に現在までに約3,000セットを販売している。利用者の内訳は、要介護度4以上が全体の76%を占めるが、残りの24%は要介護度3以下と幅広い。

 ユニ・チャームが生理用品や紙おむつのトップメーカーであることはよく知られるが、ヒューマニーはそうした不織布や吸収体の加工・成形分野で培ってきたユニ・チャームの知見と、日立製作所のものづくりの技術を結集した商品だ。

 ヒューマニーは、紙おむつを発展させた「尿吸引パッド」を装着し、排尿が始まるとパッドに内蔵されたフィルム状のセンサーが尿を検知して自動的に吸引し、タンクに収容する仕組み。このセンサーを取り込んだ尿吸引パッドをユニ・チャームが開発し、尿吸引ロボ本体を含めた製造を日立が行なう。

 ちなみにヒューマニーを提供するユニ・チャーム ヒューマンケアという会社(東京都港区)も、ユニ・チャームと日立の共同出資で2009年3月に設立している。

長時間、肌を濡らさないことの快適さ

 いま介護の現場では主に紙おむつを使用している。紙おむつとの最大の違いは、ヒューマニーは長時間、肌を濡らさないで快適に過ごせること。というのも、紙おむつは尿をパッドに溜め込むので、力が加わったりするとパッド表面に尿が染み出してきて肌を濡らしてしまう。

 これに対してヒューマニーは尿をタンクに吸引するので、パッド表面はつねにさらさらしており、肌を濡らすことがないからだ。

 「また、紙おむつで使用する尿とりパッドは、昼間用は比較的小さなタイプですが夜間用は大判化します。大きくなると吸収する量は増えますが、濡れる面積も広がる。ヒューマニーはそうしたことがないので、肌トラブルを防げるわけです」(ユニ・チャーム ヒューマンケアの幡野昭信さん)

 ヒューマニーの良さを最も実感できるのは夜間排せつケアで、多くの利用者が圧倒的な改善効果の高さを指摘している。具体的には、

@夜のおむつ交換が不要になった。
 ヒューマニーを導入する以前は夜間に1.8回(利用者150人平均)、交換が必要だったのが、導入後は0回になった。

A夜のトイレ移乗がなくなった。
 導入前は3.5回(38人平均)必要だったのが、導入後は0回になった。

B夜間訪問サービスが激減した。
 サービス利用者が13人から7人に46%削減した。

といった具合である。夜間の訪問介護サービスを利用しなくて済むため、費用面でも削減効果が高いことは言うまでもない。

簡単操作で紙おむつと変わらない使いやすさ

使い方は簡単だ。
 まず、尿吸引パッドのセンサーをコネクターに取り付ける。


□フィルム状の薄型センサー


□尿吸引パッドのセンサーをコネクターに取り付ける

尿吸引パッドは男女共用と男性用の2種類がある


□男女共用の尿吸引パッド


□男性用尿吸引パッド

 男女共用の尿吸引パッドは、勢いよく排尿した場合の尿漏れ対策として周囲を二重のギャザーで囲ってある。男性用は、パッドの中央部に設けた袋状の部分に陰茎を挿入する仕組みなので、お尻のほうまで濡れる心配がない。ちなみに現在までの利用者を男女別にみると、女性55%、男性45%で女性が多い。