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介護用ITソリューション情報

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ツールの公開やクラウド対応で利便性をさらに向上

富士データシステム 代表取締役社長 CEO 齋藤芳久 氏

介護記録システムの草分け的な存在として知られる「ちょうじゅ」。開発元の富士データシステム(本社静岡市、齋藤芳久社長)は来年1月から、ちょうじゅのカスタマイズツールを公開するほか、クラウドサービス、iPhoneやiPAD対応を図るなど、より利便性を高めたシステムの提供を始める。「我々は記録管理分野で先行しているという思いがある。これまで20年の間に蓄積したノウハウをベースにした今回の対応で、介護事業者の差別化戦略を支援したい」と齋藤社長は語る。
使いやすさとカスタマイズ性のよさで好評

――「ちょうじゅ」は介護保険制度が始まる以前の1996年にリリースされ、記録管理システムとして評価が高いようですが、どんな点が特徴なのですか。

齋藤 我々が高齢者介護情報システムの開発に着手したのは1991年です。以来、現場の記録を残すことを主眼に取り組んできました。介護現場は紙の記録が多いわけですが、現場で蓄積したデータを有効に使い、介護をした足跡をしっかり残していただきたいという思いからコンピュータ活用を提案してきました。

 ただ、現場は非常に忙しいので、手で書くよりもっと簡単なシステムでないと受け入れられない。そこで、パソコンだけでなくPDAなどの携帯端末も使うことによって入力を簡単にし、介護をしながらその場で介護記録が入力できるようなシステムを開発してきた。その点は使い勝手がいいだろうと自負しているし、評価もいただいています。

 もう一つの特徴はカスタマイズ性の高さ。カスタマイズというと通常はプログラムを修正する意味に捉えられますが、我々の場合は設定を変えるだけで帳票を変更できるといったシステムの柔軟性を言っています。各施設ごとに独自の帳票がありますので、一般的なパッケージと違って「ちょうじゅ」は自由に変更できるようになっている。そうした、大手とは違った小回りのよさも評価の要因と考えています。

――現在のユーザー数はどれくらいですか。

齋藤 法人数で約700社、事業所数で約1,800ヵ所です。地域は北海道から沖縄まで全国ですが、実はこれまで代理店を持たず我々だけでカバーしてきました。理由は、現場を精通している代理店であれば我々のシステムをしっかりアピールできるでしょうが、そうでないと我々の思い通りに動いてもらえないのではないかという危惧があったからです

 しかし最近、やっとそうした代理店が出てきましたので2010年6月、まず北海道で代理店契約を結びました。東京でも数社との連携を強化しており、近い将来、代理店契約を結ぶ計画です。そうやって販売網を強化することで、より多くの介護事業者の方々に「ちょうじゅ」のメリットを享受していただけるものと期待しています。


富士データシステム 代表取締役社長CEO 齋藤芳久氏

「ちょうじゅ」を3モデル化し顧客に柔軟に対応

――「ちょうじゅ」は近く、新機能の追加やモデル化を図るようですね。その背景や狙い、具体的な内容をお聞かせください。

齋藤 「ちょうじゅ」はこれまで、プロ向きのシステムと言われてきました。それだけに意識の高い顧客が多いのですが、顧客の要望すべてに応え、高いカスタマイズ性を実現するには人数や工数がかかるため、システム価格は上がってくる。そうした中で、もっと簡単なもの、安価なものはないかという要望も少なくありません。

 そこで来年1月から「Starter (スターター)」「Professional(プロフェッショナル)」「Ultimate(アルティメイト)」という3つのモデルを設けて提供します。

 これまではどんなに小規模の事業者でもすべてヒアリングして要望をお伺いし、日数や工数をかけていたのですが、事業者によっては他社で使っているのと同じでもよいというケースもある。そこで我々が培ってきたノウハウを基に標準パターンを用意し、お好きなものをお選びください、そうすれば低コストでご利用できます、という提供形態を設けた。それが「Starter モデル」で、従来と比べれば料金はかなり安くなります。

 このStarter モデルにカスタマイズツールをプラスしたのが「Professionalモデル」です。カスタマイズはこれまで、修正要求を受けて対応していましたが、今後はかなりの部分を顧客にツールを開放して顧客側で自由にできるようにする。まずは帳票ライブラリーを提供しますが、これは非常に大きいインパクトがあると思っています。もちろん、Starter モデルを導入後、 Professionalモデルへの変更も可能です。「Ultimateモデル」は従来同様、顧客の業務フローに基づいてシステム設計をし、構築、導入支援を行ないます。

――ツールの開放はノウハウの開放であり、ある意味で勇気のいることではないかと思いますが、そうされる理由は何ですか。

齋藤 確かにそうだし、ツールの有償化も考えました。しかし変更のたびにツールの使用料をいただくというのはなかなか難しい。ですからProfessionalモデルでは最初に納入するときにツール料はいただきますが、そんなに高くありません。ツールは要らないということであればStarterモデルでご利用いただくことになりますが、その際は自由な変更は出来なくなります。

 ツールの開放は我々にとって数年来の悲願でした。これによって、顧客は変更したいたびに逐一当社に電話等で説明して、対応が済むまで待ってもらう必要がなくなります。顧客が自由に帳票などを変更でき、そのデータがきちんと確保されます。

 そしてツールの開放によって、実は我々の負荷も軽減されます。今後は、「ウチはこういう帳票にしている」といったように、利用者同士がネット上で情報を公開しあうコミュニケーションの場を実現したいと考えています。

クラウドサービスも2011年1月から提供

――クラウドコンピューティングが注目されていますが、その点の対応はいかがですか。

齋藤 対応します。従来はクライアント/サーバー型だったのですが、サーバーを置きたくないという顧客もあるので、データセンターを確保し、来年1月からインターネット経由でのサービス提供を本格的に始めます。我々は「データセンターサービス」と呼んでいますが、クラウドサービスと理解してもらっていい。既に一部では提供を始めています。

 それらに加えて、iPhoneやiPADで入力可能なシステムも来年1月からリリースします。 介護の忙しい現場で記録を取るとなると、介護サービスの時間が減ってしまうといったことも言われますがそれもおかしな話なので、我々としては介護職スタッフが出来るだけ簡単に入力できるシステムを提供したいし、出来るだけコストを抑え、介護事業者の方々が利用しやすいシステムを提供したいと考えています。

 介護事業は、なかなか楽ではない経営環境の中で、差別化を図っていかなくてはなりません。そのために記録を蓄積し、いかに活用していくかを我々からもご提案したい。我々は多種多様な施設の事例を持っていますので、そうした活用情報を発信していきたい。そのためにこの1年半ほどで人材も増やしたし、協力会社も充実化させています。


H.C.R.2010でも「記録」の重要性とノウハウをアピール

――介護ソリューションの充実化で、来期の見通しはよさそうですね。

齋藤 今期(2010年6月)の決算で、売り上げは前期比12〜13%伸びました。デイサービスで大口の受注ができ、ソフト販売も比較的好調だったのが要因です。また、これまでは顧客が導入したいと言っても手が足りずに充分対応できていなかったが、その点も人材を確保することで対応できるようになりました。利益は、意識して研究開発に投資したのでそれほど大きな伸びはありませんでしたが。

 来期は売り上げで2割アップ、利益も2桁増を目指したいと強気の計画を立てています。値段的にはシビアになっていますが、介護事業者は差別化を図ろうとしており、そうなったときにシステムも必要になりますから。顧客はシステムの選び方を研究していますので簡単に実現できる目標ではありませんが、介護システムはそれほどプレイヤーが多くないので、ある程度独自性をもてれば自然と選ばれるだろうと期待しています。

 あまり背伸びせずにと思ってはいますが、介護業務はIT化されているとはいえ、請求システムしか導入していないというケースも少なくない。そこでITベンダー各社は記録という部分にも力を入れるようになってきている。我々としてはこの分野は先行しているという思いがあり、ノウハウもあります。

――2年後には診療報酬と介護報酬の同時改定があります。医療との連携に向けてはいかがですか。

齋藤 積極的にその分野に力を入れているというわけでもありませんが、障害者センターで電子カルテは大手の他社が担当し、療育の部分は我々が担当するといった事例を経験しています。そうした医療分野との連携を今後とも手がけていきたいと思っています。

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