介護用ITソリューション情報

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地図や統計を駆使したエリアマーケティングサービス
MiSol 介護圏分析サービス――マップソリューション

介護報酬の引き上げなどを背景に、大手を中心に新たな介護施設が開設される動きにある。こうした拠点開設に有効なのがマップソリューション(本社東京、山下靖人社長)が提供する「MiSol 介護圏分析サービス」だ。ASP方式で提供するこのサービスは、要介護者や介護事業所の分布を地図やデータを駆使して商圏の「見える化」を図り、戦略的な拠点展開を支援するコストパフォーマンスのよい「ケアIT」として導入が進みつつある。

GISを駆使して介護サービスに関する商圏を分析

 2009年7月末現在、わが国の要介護者数(要支援含む)は475万2,954人に達している(厚生労働省)。2006年3月末は432万2,708人だったから、3年4ヶ月の間に43万人超の増加、年間約13万人ずつ増えている計算だ。

 これを背景に介護事業所数も増加している。独立行政法人福祉医療機構によると、2009年4月末時点で同機構が運営する福祉・保険・医療の総合サイト「WAM NET」に掲載された介護サービス事業所数は、3年前(2006年4月)に比べて、訪問介護、訪問入浴介護および福祉用具貸与等の事業所は減少傾向にあるものの、介護老人福祉施設や介護老人保健施設などの施設系サービスは掲載数は着実に増加している。

 とくにケアハウスや有料老人ホーム等の特定施設入居者介護については、2006年4月には1,744事業所だったものが、2009年4月には3,047事業所と75%増である。

 こうした介護サービス事業における拠点開設に有効としていま注目されているのがGIS(地理/地図情報システム)あるいはLBS(ロケーションベースシステム)と呼ばれるIT(情報技術)だ。

 その代表的なものの一つがマップソリューションの「MiSol 介護圏分析サービス」。豊富な地図や統計を駆使し、インターネットを活用することにより、全国どこからでも介護圏分析を行なうことができる。

豊富な地図データや統計データを活用

 GISやLBSは位置情報(地図)とさまざまな統計データを組み合わせることによって、商圏を多角的に分析する。「MiSol 介護圏分析サービス」も同様で、ベースとなる地図データのほか、以下のようなデータを装備している。

  • 国勢調査データ
  • 病院・診療所・歯科医院データ
  • 介護事業所データ
  • 要介護区分別推計要介護者数データ
  • 介護サービス種類別推計要介護者数データ

 国勢調査データは日本の人口や世帯に関する調査で5年ごとに実施される。「MiSol 介護圏分析サービス」で使用するのは最新版の2005年7月調査のデータ。人口に関しては総人口、男女別人口、男女別年齢別人口、男女別5歳階級別人口、男女別区分別人口など、世帯に関しては総世帯数、世帯人員別世帯数、住居種類別世帯数、高齢者世帯数などを網羅する。

 これらのデータを市区町村別、町丁字別、1qメッシュ別、500mメッシュ別、250mメッシュ別に集計して分析することができる。

 病院・診療所・歯科医院データは全国約9,000件の病院、約8万8,000件の診療所、約6万9,000件の歯科医院(オプション)を網羅している。調査周年1回で最新版を利用。

 病院に関しては病院名称、郵便番号、住所、電話番号、病床数、診療項目。診療所は診療所名称、郵便番号、住所、電話番号、診療科目。歯科医院は名称、郵便番号、住所、電話番号、診療科目を網羅する。

 介護事業所データは顧客の要望に応じて介護サービス事業所及び介護施設のデータをセットアップし、更新する。介護サービス事業には訪問介護、訪問リハビリ、通所介護、通所リハビリ等、介護施設には特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型医療施設、有料老人ホーム、短期入所施設、グループホーム等、あらゆる介護サービス事業所を網羅する。

 推計要介護者数データは、要介護区分別推計要介護者数データ及び介護サービス種類別推計要介護者数データを提供しており、厚生労働省が公表している介護給付費実態調査データ及び国勢調査高齢者人口データを基に推計している。

需要と供給の状況を分析し「見える化」

 「MiSol 介護圏分析サービス」は、こうした豊富なデータを駆使することによって介護商圏の「見える化」を可能にする。

 「介護サービスであれば施設系の事業所でも居宅系でも活用できる。たとえば1q圏内の年齢構成別の人口や要介護者数と、それに対する介護事業所の分布状況がどうなっているかといったことが明確になる」(山下靖人社長)

 具体的な例で説明しよう。新しく介護サービス拠点を開設するに際しては、指定半径内に他にどれだけの介護施設があるかを知る必要がある。それを地図上で把握できるのが「円介護圏 地図」だ(図1)。


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 「円介護圏 地図」によって、このエリアには半径3q圏内に17の介護施設があることが、具体的な地図上の位置で分かる。半径2qに絞れば10箇所、半径1q圏内では5箇所といったことも一目瞭然だ。

 「円介護圏 地図」では1次介護圏、2次介護圏、3次介護圏がそれぞれ半径1q、2q、3qとなっているが、1次、2次、3次をどのように使い分けるかは自由である。「たとえば徒歩圏、自転車圏、自動車圏といったように変えられる。要は、近場(最寄)のもの、中間のもの、最大のものといった感じに分類するために使う」(同)

 圏内にある介護事業所の具体的な名称や連絡先、業種(種別)、サービス内容などは、一覧表で分かるようになっている(図2)。


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 当該エリアのどの辺りに、どのような状態の要介護者がどれだけ分布しているかの推計や、5歳ごとの高齢者の状況も分かる(図3、4)。


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 さらに、車で10分の圏内にある介護事業所の分布やその具体的な名称、所在地、サービス内容、そこの在住する高齢者(5歳ごとの年齢別割合)なども地図上や一覧表、グラフなどでたちどころに分かる仕組みだ(図5〜7)。


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月額4.1万円。どこからでもすぐに利用可能

 「MiSol 介護圏分析サービス」はASP方式によるサービス提供なので、ユーザーは特別にソフトやデータをインストール必要がない。IE(マイクロソフト社のインターネット・エクスプローラ)が利用できる環境さえあれば、ユーザーIDとパスワードを入力するだけでオフィス、出張先、自宅など、どこからでも利用できる。

 利用申し込みをすれば、翌々日から利用可能というスピーディーさで、月額利用料金も4万1,000円と安価である。

 「MiSol 介護圏分析サービスは介護事業者が事業を展開するのに有効で、大手の介護事業者にも採用され始めた。また要介護者の分布を把握し、どう介護していくかルート的な設定にも有効。見た目の分かりやすさも好評だ」と社長の山下氏は語る。

 導入には初期費用15万円、各種データのセットアップに10万円〜50万円がかかるが、膨大なデータを手軽に利用できることを考えると高い投資ではなさそうだ。将来的にはワンクリックによる簡単な操作でレポートが出せる機能も提供予定である。

●問い合わせ先

マップソリューション株式会社
  〒104-0033  東京都中央区新川2-8-5  ゼロワンビル5階
  電  話:03-5542-7564  FAX:03-5542-7574
  URL  :http://www.mapsolution.co.jp/