介護・IT業界情報

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業務支援、情報共有などがより必要に(2)

増加傾向を見せるASP

ケアITのバージョンアップの間隔については、1年以内、1〜2年、3年以内、3年以上で聞いた。6割近くが1年以内と回答しており、3年後ごとの介護報酬の改定にとどまらず、毎年、細かな対応をしている様子がうかがえる。(グラフ6)

システムの提供形態に関しては6割強がパッケージ、1割強がASP、2割強がパッケージとASPの両面で対応しており、ASP対応は増加傾向にあるといえそうだ。(グラフ7)

 ユーザーである介護事業者にとっては、ASPは安価でケアITの導入、活用が可能になるが、ベンダーにとっては悩ましい問題でもある。パッケージ販売をしてきたベンダーがASPにも対応する場合、とくに代理店販売が中心のベンダーの場合は、いかに利益を確保する仕組みを設けるかが課題となろう。

統合化でユーザーニーズに対応

 ケアITを単機能型、複合機能型、統合型、その他に分類して、どれに相当するか聞いてみたところ、統合型が6割弱を占めて最も多く、以下、複合機能型、単機能型の順となった。

 統合型は基幹系システムをベースに訪問サービスや居宅サービス、アセスメントシステムなどを連携したもので、ユーザーの幅広いニーズに対応している。(グラフ8)

機能的にみると、20以上の機能を持ったものが3割以上で最も多い。次いで16〜19の機能を持ったもの、11〜15機能と続く。多機能化が進んでいる。(グラフ9)

代表的機能な機能(システム名)を挙げてもらった結果は、概要以下のとおりである。

基本情報管理、介護保険請求管理、統計資料作成、請求売掛金管理、入居一時金償却管理、居宅介護支援システム、施設サービス支援システム、訪問介護運用支援システム、 ヘルパーマネージャー、アセスメント(MDS等)、ケアプラン作成、伝送機能
 こうした機能(システム)は、お互いに連携することによってより有効になることはいうまでもない。そこでシステム連携について聞いたところ、約7割が連携を実現している。介護に関連した機能だけでなく、財務会計、給与計算など基幹系システムとの連携もすくなくない。