介護・IT業界情報

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国際モダンホスピタルショウ2009(3)

施設と連携して開発した歩行リハビリ装置も

 モリトー(愛知県一宮市)は、「こうした展示会では初公開」(同社医療機器営業部長の加藤良治氏)とする高齢者や障害者向けの歩行リハビリ装置を出展した(写真C)。

 この歩行リハビリ装置はリハビリテーション協会と連携し、愛知県のリハビリテーション施設で2年前からテスト的に採用している。商品化に着手したのは今年になってからで、「大学病院の教授と相談して改良し、今秋には商品化をする計画」(同)。価格は150万円前後を予定しており、病院での買い取りを見据えて事業に本腰を入れる。

 一方、在宅でも使えるタイプの開発も視野に入れる。「在宅向けは、車輪を増やしたりしてコンパクト化を図りたい。価格は120〜130万円になる見込みだが、極力安くしたい」と加藤氏は語る。ポイントは転倒防止。基本的には早期のリハビリ向けだが、全体重を乗せ、70キロの瞬間的な力がかかっても転倒することがない。従って、高齢者や重度の障害者でも使用可能だ。

 居宅介護食を出展した日東ベスト(千葉県船橋市)は、このビジネスを始めて4年目。通常の食材を使い、通常の調理をしたものだが、高齢者などの誤嚥を防ぐため、非常に柔らかく、塩分なども控えめになっているのが特徴だ。

 「インターネットなどを通じて、在宅介護者の家庭に直接販売するケースが多いが、介護センターや市町村のセンター(市民課)などでも紹介してもらっている」(同社営業本部ホスピタグルメ・居宅介護食担当課長の小林 修氏)。

 介護食は12点入りで3,300円。「知り合いの親に送りたい、といった需要もあるが、本格的なビジネスはこれから。地道にやっていきたい」と、長期的視野で取り組む。

C病院での利用のほか、在宅での利用も視野に入れた歩行リハビリ装置(モリトー)
C病院での利用のほか、在宅での利用も視野に入れた歩行リハビリ装置(モリトー)

オルゴール療法にも関心集まる

 オルゴールの高周波と低周波の効果によって「パーキンソン病やリューマチ、三叉神経関連など、難病が治った症例が30ほどある」と語るのは、日本オルゴール療法研究所所長の佐伯吉捷氏。

 同社は大阪大学、岸本病院など大学や医療機関の協力を得て1985年からオルゴール療法の研究に取り組んでいる。使用するオルゴールはスイス製を中心とした外国製で、同社が独自の改良を加えており、価格は30万円台から。日本製は部品の耐久性、音の響きなどの点で効果があまり得られないという。

「西洋医学専門の医師たちは症例を研究したわけでないので信用しないが、病院によっては『凄い研究をしている』との評価も得ている。2009年2月からオルゴールセラピストの資格制度をスタートし、エステ関係者、介護士、助産婦などがこれを取得して独自に療法を始めている」(佐伯氏)。オルゴールセラピストは現在15人ほどだが、今後、300人を目標に制度の普及を図る計画だ(写真D)。

D「オルゴールの高周波と低周波で難病が30症例ほど治っている」と効果をアピールする日本オルゴール療法研究所
D「オルゴールの高周波と低周波で難病が30症例ほど治っている」と効果をアピールする
日本オルゴール療法研究所