介護・IT業界情報

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国際モダンホスピタルショウ2009(2)

産学連携による介護ソリューション

 山梨県の大学、病院、商工会、民間企業の4者で構成する「医療関連ものづくり交流会」は、看護婦や介護士の不便を改善するソリューションとして、尿瓶ホルダー、消臭防水ケアシート(シーツの布団の間、枕の下などに入れる)、リハビリ支援器具など、ベッド周りに有効な器具7点を展示した。

 その一つ、飲料ボトルなどを空中に保持できるホルダーは、正確な位置に長時間保持できるもの。「従来は、少し経つと枕がずれたりして正確に保持できなかった。このホルダーを使うことで、長時間、正確に保持することができるので、看護婦はときどき見るだけで他の作業ができる。ありそうでなかった器具」と、交流会の中核メンバーであるアイメックス代表取締役の秋山彰氏は語る。

 同交流会は発足して5年。メンバーは約40社で、山梨医大で2〜3ヵ月に1回のペースで研究会を開いている。今回は甲府商工会が音頭を取って7社の創意工夫を凝らしたソリューションを展示した。現在は多くが試作段階だが、アイメックスのように市販の体制を整えた企業もあり、今後、販売ルートを開拓したい意向だ。

従来の1/3〜1/2の低価格を実現した呼び出しシステム

 コストパフォーマンスに優れた「REXEインターホンシステム」を出展したのはナカヨ通信機(写真B)。「インターホン呼び出しシステムは、今までは介護系だけだったが、このくらいの仕組み(機能)があれば有効と、病院からも引き合いがある」(ナカヨ電子サービス・東京営業所グループ長の高野大氏)と好調だ。

 同システムは2008年10月から発売。案件は既に全国で80件あり、6月だけで6システムが納入を決定している。「簡易のオールインワンシステムであり、低コストで構築でき、介護士などの負担が軽減できると好評だ」(同)。

 このシステムを使うと、看護士や介護士などが実際に働いている人が現場までいかなくともPHSでやり取りでき、負担を大幅に軽減できる。またコスト的にも「従来のこの種のシステムに比べて3分の1から、システムによっては2分の1程度に抑えられる」(同)という。今年12月にオープンする産婦人科でも導入が決定しており、低コストなことから、浮いたコストを活用して建物の入り口や新生児室の監視などに使うカメラの導入も決定している。

 さらに同社は今回、ICタグ付きのスリッパも出展。マットセンサーと連動して高齢者や患者の動きをチェックできることから、来場者の関心を集めた。

B従来の1/2〜1/3の低価格化を実現したコストパフォーマンスに優れた介護関連システムも登場(ナカヨ通信機)
B従来の1/2〜1/3の低価格化を実現したコストパフォーマンスに優れた介護関連システムも登場
(ナカヨ通信機)